はるの氣たつをもってなり〔春の気立つを以って也〕
こよみ便覧より
春が立つ、と書き「立春」。暦の上では春が1年の始まり。ひとつ前の暦「節分」は節の分かれ目いわば大晦日で、立春がお正月。実際にはまだまだ寒さの厳しい頃ですがいよいよ春の始まりです。
「立春の七十二候」
初候 東風解凍〔こちこおりをとく〕2月4日頃
初候 東風解凍〔こちこおりをとく〕
2月4日頃
東風吹かば 匂ひおこせよ 梅の花 あるじなしとて 春を忘るな
道真 贈太政大臣『拾遺和歌集』巻第十六より
菅原道真が太宰府への左遷のとき、家の梅の花をご覧になって詠んだ歌です。道真を慕った梅は、太宰府についた道真の元へ一夜のうちに飛んで来たといわれています。
次候 黄鶯睍睆〔うぐいすなく〕2月9日頃
次候 黄鶯睍睆〔うぐいすなく〕
2月9日頃
気象庁「生物季節観測」によりますと、鶯の京都での初鳴は3月1日で、鶯の別名に「春鳥」「春告鳥」とありますが、鶯の声が聞こえると春の気配が漂います。鳴くのは雄のみですが、すぐに「ホーホケキョ」とはいきません。鳴き始めは「ケッケッ」「ケキョ」とぐぜり鳴き、何度も練習して美しくさえずるようになります。
末候 魚上氷〔うおこおりをいずる〕2月14日頃
末候 魚上氷〔うおこおりをいずる〕
2月14日頃
冬のあいだ水底でじっとしていた魚たちが、薄氷のもと春を感じて活発になります。春告草(梅)、春告鳥(鶯)、春告魚(ニシンやメバル)があります。私たちの暮らしは春を喜び、春を待ちわびていることをつくづく感じます。
「季節のおすすめ」
Flower
梅の名所5選
北野天満宮…日本三大天神のひとつ。50種、約1,500本の梅苑は例年2月上旬頃に公開されます。日程は開花状況により変わります。
梅宮大社…神苑には約35種、約450本の梅があります。
京都御苑…約250本。「黒木の梅」が有名。
城南宮…約150本のしだれ梅は「春の山」と呼ばれています。
随心院…小野小町ゆかりの寺院。遅咲きの「はねずの梅」が有名。
Event
初午
伏見稲荷大社の伝承によりますと「五穀の不作が続いていたところ、奈良時代の和銅4年(711年)2月最初の初午の日に、稲荷大神が稲荷山にご鎮座され祀られたところ、五穀大いに稔り国は富み栄えた」とあります。以降、五穀豊穣・商売繁昌を祈願して「初午詣」が全国の稲荷社で行われています。
Event
聖バレンタインデー
3世紀のローマでは兵士の結婚が禁じられていて、これを憐れんだ司祭バレンタインは密かに兵士の結婚式を行いました。このことが皇帝に知られてしまい、家庭と結婚の女神ユーノーの祝日の2月14日に処刑されてしまいます。その後、バレンタインは恋人たちの守護聖人として敬われ、祝うようになりました。
Sweets
ショコラ
日本では「女性が男性にチョコレートを贈り愛を告白する日」として定着しているバレンタインデー。昭和30年代初頭に製菓メーカーやデパートが節分の次のイベントとして、販売企画により広がりました。時は流れ、今ではクリスマスに次ぐほどのキラキライベントに変わりました。ショコラの祭典、この時期だけの高級ショコラは贈り物のみならず、自分へのご褒美に食べたくなりますね!
Vegetable
大根
春の七草の一つ“すずしろ”は大根の古名で、古来より親しまれてきました。花言葉は「適応力」「潔白」で活躍の広さを物語っています。あたらないとした俗語「大根役者」という言葉がありますが、大根は食物繊維が豊富なうえ、消化効果のある成分を含んでいるので胃腸を守ります。寒い季節にありがたい大根焚き、初午の時期は三千院で振舞われます。
CAST
東風解凍
黄鶯睍睆
魚上氷
Flower
Event
Sweets
Vegetable