冷ゆることの至りて甚だしきときなればなり
こよみ便覧より
1年の最後の節気。1年中でもっとも寒い頃ですが、寒の内に仕込んだ酒、味噌、醤油は雑菌が少なく最も良いとされています。あとは春の最初の節気を待つ時期。
「大寒の七十二候」
初候 款冬華〔ふきのはなさく〕1月20日頃
初候 款冬華〔ふきのはなさく〕
1月20日頃
厳冬に芽を出すフキノトウは葉の柄を食べるフキの花蕾で、地下茎が地中深くにあり、ひとつの株から花と葉が別々に伸びます。まだまだ雪だるまを作れるほど厳しい寒さのただ中、フキノトウが店頭に並ぶと、雪がもう終わる残念さと、寒さがあと少しの辛抱と、複雑な気持ちになります。
次候 水沢腹堅〔さわみずこおりつめる〕1月25日頃
次候 水沢腹堅〔さわみずこおりつめる〕
1月25日頃
沢の水が厚く凍りつめる頃となりました。一つ前の「小寒」の次候で水泉動(しみずあたたかをふくむ)と春を感じさせたと思いきや、やはり「大寒」らしく沢が凍ってしまうとは!気象庁によりますと、この頃はその年の最低気温が出やすく、氷点下になりやすい時期だそうです。
末候 鶏始乳〔にわとりはじめてとやにつく〕1月30日頃
末候 鶏始乳〔にわとりはじめてとやにつく〕
1月30日頃
春の気配を感じた鶏が鳥屋(とや)に入り卵を産みます。自然の鶏は冬のあいだはほとんど卵を産まなくなるので、卵を抱いている鶏を見つけた喜びを感じる候。自然の恩恵にあずかるありがたさが表されています。
「季節のおすすめ」
Event
節分
季節をわける節分は本来、年に4回ありますが、旧暦の新年が立春と近いため、立春の前日の節分は新年を迎えるように重要とされ、節分といえば立春の前日のことを指すようになりました。
1年間の無病息災を祈願して追儺式、豆まきが行われます。
Fortune
おたふく
「鬼は外。福は内」の「お多福」は千本釈迦堂 大報恩寺さんに伝わる「お亀」の伝承が由来とされる説があります。お亀は本堂建築の際に、内助の功で夫の大工棟梁を助けながらも、夫の名誉を汚さないようにと自害してしまいます。夫想いの優しい人柄は暴れまわる鬼をも諭し改心させます。
Shrine visit
四方参り (よもまいり)
数多ある神社で節分祭が行われますが、京都では古くから「四方参り」という風習があます。深泥池から出てきた鬼が、御所の鬼門を守る(北東)吉田神社で追われ、巽を守る(南東)伏見稲荷大社(八坂神社の説もあり)へ向かうが追われ、裏鬼門を守る(南西)壬生寺でも追われ、乾を守る(北西)北野天満宮(福部社)で閉じ込められるとされ、四社を巡り邪気を祓い、福を招きます。
Design
雪輪文様
雪は五穀の精でその年が豊作になる吉祥の象徴とされています。そんな雪を文様にした雪輪は室町時代から着物などに描かれてきました。円に六つの切れ込み、それを繋ぐ三つの膨らみ。シンプルなようでいて風雅な文様は人気を博し、様々なデザインが伝承されています。雪輪を重なりだけで、草木の背景に、華々しく雪輪の中に草木を詰め込むなど、ますます想像力を刺激する優れた文様です。
Flower
椿
生垣に使用されることが多く、濃い葉色のなかに印象的な赤い花が美しい椿は、学名を: Camellia japonicaといい、古来から日本で愛されています。茶花でも好まれていて、寒い時期は蕾を、暖かくなると開いた花を生け、季節の感受性を楽しみます。ただ、いつも咲いている印象があるほど多くの品種があり、開花時期は12月〜4月が多く、遅咲きでは6月のものもあります。
CAST
款冬華
水沢腹堅
鶏始乳
Event
Fortune
Shrine visit
Design
Fish