万物盈満すれば草木枝葉しげる
こよみ便覧より
「盈満(えいまん)」は物事が満ちあふれること。また、そのさま。木々がイキイキと満ちた中で芽吹いていた青葉が元気に育ち出す頃。見渡せば青葉輝く新緑の季節です。
「小満の七十二候」
初候 蚕起食桑〔かいこおきてくわをはむ〕
5月21日頃
初候 蚕起食桑〔かいこおきてくわをはむ〕
5月21日頃
蚕は太秦の歴史と深い結びつきがあります。古代、新羅から渡来した秦氏は、太秦の地を開墾し、養蚕、機織など高度な技術で栄えました。京都三珍鳥居の一つ「三柱鳥居」がある「木嶋坐天照御魂神社(通称:蚕ノ社)」は、養蚕の神様を秦氏が祀り、アルカイックスマイルが魅力の宝冠弥勒菩薩半跏思惟像(国宝指定第1号)で有名な広隆寺は、秦河勝が建立しました。
次候 紅花栄〔べにばなさかう〕
5月26日頃
次候 紅花栄〔べにばなさかう〕
5月26日頃
ベニバナは咲き始めは黄色。だんだん色付きオレンジ、やがて紅色になります。紅色色素はわずか1%ほどしか含まれておらず、黄色を洗い流し紅色を取り出す工程に、時間と労力がかかるためとても高価な染料です。舞妓さんのお化粧の紅や染料になるベニバナ。エジプト原産でミイラの着衣に紅花色素が含まれていたとか。別名「末摘花(すえつむはな)」。
末候 麦秋至〔むぎのときいたる〕
5月31日頃
末候 麦秋至〔むぎのときいたる〕
5月31日頃
この時期、麦畑は一面、黄金色に変わります。麦の収穫期になりました。秋を「とき」と読み七十二候では初夏の頃、俳句でも「麦秋」は初夏の季語になります。麦の「実りの秋」となるのでしょうか。麦は、パン、ビール、焼酎、味噌、醤油、麦茶、うどん、素麺、麦わら帽子などに姿を変えます。麦はこれからの季節にぴったりのご褒美です。
「季節のおすすめ」
Community
世界禁煙デー
世界保健機関(WHO)が主導する「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約」が2005年に発効されてより、日本でも喫煙のマナーがより高まりました。受動喫煙のない社会を目指して健康増進法では、多くの方が利用する施設(学校や病院、デパート、事務所、飲食店や喫茶店など)それぞれに応じた受動喫煙防止対策をとることが定められました。
Lifestyle
更衣
6月1日に冬服から夏服へ制服を衣替えされる学校や会社が多くあります。和装は旧暦の5月5日から帷子(かたびら)という単衣仕立てで、八掛(裏地)のついていない着物を着ます。
地球温暖化対策、省エネ、クールビズの取り組みで無理のない時期に実施されるところも増えました。京都市の最高気温は2020年のゴールデンウイークには30℃に達し、暑さを保ち夏になりました。2021年は15〜30℃で肌寒い日と暑い日をくり返しました。
Lifestyle
夏の支度
京町家では、爽やかなこの時期に家の夏支度、建具替えを行います。盆地の京都市は夏がめっぽう蒸し暑いため、夏、涼しくすごせるよう建具に夏用・冬用があります。襖を葭戸(よしど)に、障子を御簾(みす)に替えて風を通し、畳の上に網代(あじろ)や籐莚(とうむしろ)を敷きひんやりと、日が差す窓には簾(すだれ)を垂らします。まずまずの重労働のため、気温が上がりきる前に行います。
Animal
ほじょ犬
ほじょ犬は障がいのある方の自立と社会参加を補助するために特別な訓練を受けた犬です。
目の不自由な方に歩行をサポートする盲導犬。手や足に障がいのある方の日常動作をサポートする介助犬。目の不自由な方に生活音をサポートする聴導犬。人が社会とともに生きていくうえでの大切なパートナーです。
Spices
実山椒
ことわざ「山椒は小粒でもぴりりと辛い」山椒は実が小さくても存在感を発揮します。香味料の粉山椒は完熟した果実の果皮を乾燥させて粉末にしたもの。この時期の「実山椒(青山椒)」は果実が未熟でやわらかく粒ごと食べられるのが特徴。初夏の味覚のため、さっと湯がいて冷凍保存しておくと便利。名物「ちりめん山椒」は宮川町の料理人がおじゃこと実山椒を炊き、親しい方へ配ったのが始まりでした。
CAST
蚕起食桑
紅花栄
麦秋至
Community
Lifestyle
Animal
Spices