日天の中を行て昼夜とうぶん〔等分〕の時なり
こよみ便覧より
国民の祝日に関する法律では「春分日 自然をたたえ、生物をいつくしむ」とあります。昼と夜の時間がほぼ等しくなり翌日からは次第に昼が長くなります。この日を中日とした計7日間が春のお彼岸となります。
「春分の七十二候」
初候 雀始巣〔すずめはじめてすくう〕
3月21日頃
初候 雀始巣〔すずめはじめてすくう〕
3月21日頃
スズメが巣作りを始める頃になりました。厳しい冬を越せた喜びが溢れだします。冬のスズメは「ふくら雀(福来雀・福良雀)」と呼び、羽毛に空気を入れてふくらませて寒さから身を守ります。振袖の帯結びは福を願う縁起のよい伝統的な結び方です。
次候 桜始開〔さくらはじめてひらく〕
3月26日頃
次候 桜始開〔さくらはじめてひらく〕
3月26日頃
桜の開花が発表される頃になりました。ソメイヨシノが広く分布していることと、同時に開花するため標本木になっています。山桜など日本の固有種は、種から育つため同時に開花しません。奈良の吉野山の桜は、ほとんどが「白山桜」で、長く桜が楽しめるのは固有種ならではです。
末候 雷乃発声〔かみなりすなわちこえをはっす〕
3月31日頃
末候 雷乃発声〔かみなりすなわちこえをはっす〕
3月31日頃
春の雷は遠い印象がありますが、強い風が吹き雨もよく降ります。これから育てる農作物のために、欠かせない現象だと思いつつも、桜の花が咲いている間は「どうか雨よ、降らないでおくれ」と祈る気持ちも強くなります。
「季節のおすすめ〜桜特集〜」
Viewing
お花見
桜の花のお花見は平安時代、嵯峨天皇が「神泉苑」にて行った「花宴の節」が最初とされています。嵯峨天皇ゆかりの大覚寺ではこの時期、いけばな嵯峨御流「嵯峨天皇奉献華道祭」が行われます。
豊臣秀吉は「醍醐の花見」で、醍醐寺に700本もの桜を植樹し、盛大な宴を催しました。桜をめぐる千年の歴史は今に受け継がれています。
Emotion
花吹雪
平安時代以降、花といえば桜をさすようになりました。満開の桜の絶景は言うまでもなく、花吹雪となって一斉に舞い散る桜に「もののあはれ」を感じるのではないでしょうか。
散った花びらが川面に浮き、集まって流れる様を「花筏」「桜の絨毯」と呼び、散り際までも美しい桜は私たちの心を捉えて離しません。
Special
枝垂れ桜
京都では歴史とともに様々な種類の桜が植樹されてきました。中でも「枝垂れ桜」は別格で、京都御苑の早咲きの「糸桜」をはじめ、円山公園「祇園しだれ桜」など、名桜と呼ぶにふさわしいシダレサクラを、多くの名刹で観賞することができます。手ぬぐいは、臨済宗妙心寺派大本山 妙心寺塔頭「退蔵院」の余香苑の石庭と枝垂れ桜をデザイン。
Variety
緑の桜・黄色の桜
サクラは突然変異が起きやすい植物で、花びらが多い個体を八重咲きに改良したり、接ぎ木などで交雑した種類が多くあります。日本で最も多いソメイヨシノは、エドヒガンとオオシマザクラを交配させて誕生し、染井で作られた吉野の桜のように美しい桜と名付けられました。緑色の桜の御衣黄桜(ギョイコウサクラ)は仁和寺など、黄色い桜の鬱金桜(ウコンサクラ)は白峯神宮などで楽しめます。
Traditional culture
五花街のをどり
京都の花といえば舞妓さん。祇園甲部、宮川町、先斗町、上七軒、祇園東と5つあり、春・秋に華やかな舞踊公演を開催されます。
上七軒歌舞会「北野をどり」2023年3月20日(月)~
祇園甲部歌舞会「都をどり」2023年4月1日(土)~
宮川町「京おどり」2023年4月1日(土)~
先斗町歌舞練場「鴨川をどり」2023年5月1日(月)〜
祇園東歌舞会「祇園をどり」秋開催(予定)
※公式HPをご確認ください。
CAST
雀始巣
桜始開
雷乃発声
「桜特集」
Viewing
Emotion
Special
Variety
Traditional culture