大暑来れるまへなればなり
こよみ便覧より
暑気に入り、本格的な暑さが始まるとされます。徐々に梅雨も明け暑中となることから暑中見舞いの期間に入ります。
「小暑の七十二候と祇園祭」
初候 温風至〔あつかぜいたる〕
7月7日頃
初候 温風至〔あつかぜいたる〕
7月7日頃
梅雨明けの頃に吹く暖い南風を「白南風(しろはえ・しらはえ)」と呼びます。白い風に乗って、一気に気温があがります。
[祇園祭]7月7日は「綾傘鉾稚児社参」が行われます。綾傘鉾は長刀鉾と同様に人間が稚児を努める鉾。八坂神社にて神の使いである稚児に任命されます。
次候 蓮始開〔はすはじめてひらく〕
7月12日頃
次候 蓮始開〔はすはじめてひらく〕
7月12日頃
夜のあいだにほころび始める蓮の花は朝の訪れとともに開き、昼には閉じてしまいます。初夏の幻想的な美しさをあらわしています。
[祇園祭]7月12日頃になると、前祭の山鉾町では鉾建・山建、曳初(ひきぞめ)が行われます。釘を使わない組み上げが伝承されています。
末候 鷹乃学習〔たかすなわちわざをなす〕
7月17日頃
末候 鷹乃学習〔たかすなわちわざをなす〕
7月17日頃
鷹の雛が巣立ちの準備をする頃。 飛び方を覚え、獲物の捕り方を覚え、独り立ちの立ちの術を学びます。
[祇園祭]7月17日、祭のハイライト、前祭の山鉾巡行。動く美術館と讃される鉾や山が練り歩きます。「注連縄切り・太平の舞(稚児舞)」様式美「くじ改め」勇壮な「辻廻し」など行われるすべてが壮麗。
「季節のおすすめ~祇園祭特集~」
Gionmatsuri
祇園祭
7月の京都は祇園祭一色。「吉符入」に始まり、31日までの1ヵ月にわたり各神事、行事が繰り広げられます。貞観11年(869年)に流行した疫病を鎮めるため、当時の国の数と同じ66本の鉾を神泉苑に立て、厄災の除去を祈った御霊会(ごりょうえ)が起源と言われています。山鉾巡行は長保元年(999年)に始まりました。1000年以上にわたり病魔退散を祈願しています。
Yoiyama
宵山
山鉾巡行の3日前・前々日・前日、宵山が行われます。町会所では御神体や懸装品(けそうひん)などが展示され、近くで鑑賞できるチャンスです。厄除け粽(ちまき)や護符などの縁起物が販売されたり、御朱印の授与も行われています。「屏風祭」を行う旧家では美術品を一般公開されます。夕暮れ、山鉾に駒形提灯が灯され、囃子方がある山鉾で祇園囃子が奏でられます。
Sakimatsuri & Atomatsuri
前祭と後祭
神社の祭礼には、神様が神輿に乗ってお渡りになる際、御旅所で一旦休憩されます。神社から御旅所へ迎える神幸祭、御旅所から神社へ戻る還幸祭があります。
山鉾巡行は神輿の渡御に先立ち、都大路を清祓したと考えられています。前祭の7月17日、「長刀鉾」を先頭に23基の山鉾が巡行します。後祭の7月24日、前祭とは逆ルートで11基の山鉾が巡行します。お休み山になっていた「鷹山(たかやま)」も196年ぶりに後祭の巡行に復活します。
Chimaki
粽
蘇民将来という男の家に、旅人が一夜の宿を求めました。蘇民は貧しいながらも手厚くもてなします。旅人は実は牛頭天王という神様で、お礼に「お前の子孫は私が護ってやろう。目印に腰に茅の輪をつけていなさい」と言われました。この茅の輪が「茅」を巻いた「茅巻(ちまき)」となり、「蘇民将来子孫也」という護符がつけられています。「私は蘇民将来の子孫です。病気や災いから護ってください」という祈りを込めて、一年間玄関先に飾ります。
good on yukata
風呂敷バッグ
浴衣をお召しになる方へ。永楽屋では風呂敷で作るバッグのご提案をしています。写真は「#03.フラワーバッグ」です。祇園祭のそぞろ歩きのお供にぜひ。
CAST
温風至
蓮始開
鷹乃学習
Gionmatsuri