陽気地中にうごき ちぢまる虫 あなをひらき出ればなり
こよみ便覧より
啓蟄の「啓」は、ひらく、「蟄」は、虫の意。春の気配に、冬ごもりの虫たちがそっと顔を出す頃。松などに巻きつけた菰(こも)を外す目安ともされることも多く、だんだんと春の準備が進められる頃です。
「啓蟄の七十二候」
初候 蟄虫啓戸〔すごもりむしとをひらく〕3月5日頃
初候 蟄虫啓戸〔すごもりむしとをひらく〕
3月5日頃
9月末頃の蟄虫培戸から、土の中などにこもり静かに冬を過ごしていた虫や小動物たちが、暖かい春の気配を察知して姿を現す頃になりました。テントウムシも越冬する虫の仲間。小さな命を人の営みになぞらえて「戸を啓く」とは洒落た言い回しです。
次候 桃始笑〔ももはじめてさく〕3月10日頃
次候 桃始笑〔ももはじめてさく〕
3月10日頃
桃の花が咲く季節となりました。「笑う」と書いて「咲く」。花が咲くと草木がまるで笑っているように感じるからでしょうか。俗世間を離れた「桃源郷」は桃の花が咲き乱れ、行きたいと探しても辿り着けない場所だとか。日本で一番有名な桃は、なんと言っても「桃太郎」。理想郷は何処に。
末候 菜虫化蝶〔なむしちょうとなる〕3月15日頃
末候 菜虫化蝶〔なむしちょうとなる〕
3月15日頃
蝶が美しくひらひら舞い始める頃になりました。菜虫とは青虫のことで、蛹(さなぎ)になって越冬します。モンシロチョウやアゲハチョウを見るようになると春本番です。モンシロチョウは卵を見つけやすいので、小学生の頃に観察をした記憶のある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「季節のおすすめ」
Event
京都では「春の特別拝観」が始まりました。夜に桜が幻想的に浮かびあがる夜のライトアップをご紹介します。
東山花灯路 2022年3月4日(金)~13日(日)(今年で終了)
清水寺 2022年3月4日(金)~13日(日)、3月26日(土)~4月3日(日)
高台寺 2022年3月4日(金)~5月5日(木・祝)
東寺 2022年3月19日(土)~4月17日(日)
平野神社・青蓮院は公式HPをご確認ください。
Event
卒業
袴姿の方を見かけるようになりました。卒業式シーズンです。
旅立ちの日を迎え、とりまく環境の変化に少しセンチメンタルになります。別れと出会いの季節に「再会」を誓い合いそれぞれの道を歩み出します。
Flower
サボテンの日
3月10日はサボテンの日。トップメーカーの岐孝園さんが制定されました。サボテンは北アメリカの砂漠など乾燥地帯が原産で水やり
の回数が少なく、育てやすいことから観葉植物として人気です。緑が美しく、花を咲かせる種類もあり、大きさは人の身長以上のものから手のひらサイズのかわいいものまであります。
Flower
ミモザ
黄色い小さな花が球状に集まり、ふわふわとかわいらしい花「ミモザ」。3月8日はミモザの日。国連が定めた「国際女性デー」でもあります。イタリアでのミモザの花言葉は「感謝」、母親や友人、同僚の女性の方への贈り物に使われるそうです。手ぬぐいはプーゼ代表フローリスト浦沢美奈さんによるアレンジメントです。
Animal
猫の恋
なの花にまぶれて来たり猫の恋 小林一茶
「猫」単独での俳句の季語はありませんが、「猫の恋」「子猫」など、恋する猫になると春の季語になります。ミャオ、ミャオと恋する声で鳴いたり、普段と違う情熱的な猫の様子から春の季語として使われているのでしょう。ちなみに「こたつ猫」になると冬の季語になります。
CAST
蟄虫啓戸
桃始笑
菜虫化蝶
Event
Flower
Animal