陰気やうやく かさなりて 露にごりて 白色となればなり
こよみ便覧より
朝夕の冷気で秋の趣が増し、野の草花や木々の葉に白く光る白露(しらつゆ)が宿る頃になりました。朝日に光る露も陽がのぼるとともに見えなくなり、儚く美しい季節をあらわしています。
「白露の七十二候」
初候 草露白〔くさのつゆしろし〕9月7日頃
初候 草露白〔くさのつゆしろし〕
9月8日頃
昼と朝晩の気温差が大きく、冷え込む夜は草に露が宿ります。早朝、草の露が白く光り、宝石のように煌めきます。
次候 鶺鴒鳴〔せきれいなく〕9月12日頃
次候 鶺鴒鳴〔せきれいなく〕
9月12日頃
鶺鴒は川沿いなど水辺を好み、今では一年中見られる身近な鳥です。神話で、子作りの方法がわからないイザナギとイザナミに教えたという伝承があり、「恋教え鳥」とも呼ばれます。
末候 玄鳥去〔つばめさる〕9月17日頃
末候 玄鳥去〔つばめさる〕
9月17日頃
春先にやってきたツバメが帰りはじめる頃。
子育てを終えたツバメは、これから寒くなる日本を離れ、暖かい南の地域へと旅立っていきます。
「季節のおすすめ」
Event
重陽の節句
「菊の節句」とも呼ばれ、菊の花を飾ったり、菊の花びらを浮かべた菊酒を飲んだりして、不老長寿を願う行事です。古来中国では、奇数の日は縁起のよい「陽の日」とされ、3月3日など、奇数が重なる日を祝い節句としました。中でも一番大きな数「9」が重なる日を陽が重なると書いて「重陽の節供」と定めました。
Nature
お月見
2021年の中秋の名月は、9月21日です。
空気が澄み、ひときわ月がきれいに見えます。中秋の名月は秋のお芋などの収穫を感謝する行事ですので、すすきを飾り、お団子をお供えします。ちなみに京都の月見団子は丸いお団子ではなく、里芋の形にしたお団子に雲を見立てた餡がのっています。
Vegetable
栗拾い
古くから日本の秋の味覚の代表格なのが「栗」。昔は日本のあちこちで栗拾いが行われていましたが、現在ではとても高価なものになっています。その種類は丹波栗などで有名な「和栗」、マロングラッセや、ケーキに使われる「西欧栗」、天津甘栗で有名な「中国栗」などが多く流通し、和洋中、料理、スイーツなど私たちの生活に欠かせないものです。
Flower
菊
菊は日本の皇室の紋にも使われるように、桜と並んでの日本を代表する花です。花言葉も「高貴」「高尚」で、また色によっても花言葉や意味があり、慶事、弔事問わず使われています。日本では古くから「菊人形」のように菊を育て愛でる文化があり、現在でも「ピンポンマム」や「スプレーマム」などの洋菊などもフラワーアレンジなどで人気の花です。
Vegetable
秋の七草
七草粥で有名な春の七草ですが、秋にも七草があります。万葉集の山上億良の歌が始まりとされ、「萩」「尾花(すすき)」「葛」「撫子」「女郎花」「藤袴」「桔梗」の7つです。春の七草に比べ、花や葉の美しさを見て楽しむものであり、またそれぞれの花に薬用やお香などの効果があり、古くからの日本の生活で親しまれてきたものばかりです。
CAST
鶺鴒鳴
玄鳥去
Event
Nature
Vegetable
Flower
Vegetable